本当の戦い

http://d.hatena.ne.jp/keiki/20060803
ここに書いたY君(3歳)と、戦う日がやってきました。どうしても大きい虫歯なので、麻酔して、虫歯になってる部分と神経を半分とってしまうことです。
永久歯への影響を考えて、出来るだけ神経は全部取らないで治療する事にしたのです。勿論、彼は麻酔は初。他の子供にもそうするように、注射器を見せないように、痛くないように慎重に麻酔をする院長。…その甲斐あって、本人も無駄に先入観がないせいか、麻酔は無事に終わりました。
それから、少しずつ虫歯部分を機械で取っていったのですが……。もう少しで終わり、と言う所で突然彼が
「痛いっ!」
と泣き出したのです。それまでは何の障害も無かったのですが、一回痛さを知ってしまった彼、感情が一気に湧き出してきたようです。
「いたいよぉいたいよぉ!!」
彼に出来る必死の抵抗で治療を拒み始めたのです。…でも、殆ど終わりまで行った治療、最後まで強引に?続ける事に。こうなったら大変です。アシストについてた私だけでは彼の体の動きを抑えきれずに、Nちゃんを応援に呼んで頭をしっかりと抑えてもらう事にしました。それでも、身体自体も暴れてしまうので、お母さんには下半身と腕をしっかり押さえてもらいます。
「Yちゃん…じっとしててよYちゃん…」
必死に抑えながら、お母さんは自分を責めるような口調で呟いてます。このお母さんも昼間は働いてて、中々Y君に構えないらしい。虫歯とは判ってても、幼いゆえに治療には中々踏み切れなかったよう。
院長も、まるで相手にしてるのが3歳児だと言う事を忘れてるみたいに、決死で身体を鎮めようとしました。
…とりあえず治療は終了。終わった後、大の大人が4人疲れ果ててしまってました。
何とか神経は残せましたがやっぱり、「痛い」ってのは一番の恐怖なんだな、とつくづく感じました。
最後、会計が終わってから帰るとき、目を真っ赤にしながら手を振ってくれたY君を見て、ほんの少し癒されましたけどね〜。次の時も怖いなぁ。