宿敵との戦い

ついに…この日がやってきてしまった。宿敵、小学校1年のS平君と対戦する時が。以前、私は彼との戦いをこう記している。

初診で、4歳の男の子がやってきました。歯医者は初めてだということだったんですが、院長が来るまで元気元気。
院長が、
「名前はなんて言うの?」
と聞くと、
「きみこそなんて言うの?」
……と先制「口」撃。
きみかいっ。
当然、付き添ってる母親は
「きみじゃないでしょ」
と怒るんだけど、
「だって聞きたいやんかあ」
だって。
結局治療が必要になったんですが、初めてだということと、虫歯がそれほど深くないという事で、練習をする事に。
恐い、というよりは、珍しい機械が多いから、最初は好奇心丸出しの彼だったんだけど、いざタービン(歯を削る機械っすね)の音を聞かせた瞬間………。

━━━━━━━━医院内逃走。

早かったですよ、玄関で母親に取り押さえられたんですが、一瞬あっけに取られたいとあま。さんなのでした。
まだ、泣いてくれたほうが扱いは心得たつもりだったんですが……。治療台に連れ戻して、母親に怒られようが、何しようが、
「眠いんだもんっ!!」
この日は結局、何もさせてくれませんでした……。

まあ、これは3年前の話だし、半年振りの来院。虫歯もないとの報告だったので、少しは安心していたいとあま。さんなのだった…。
が。
お母さん同伴で歯磨き指導をした時だった。全く人の話を聞いてくれないS平君。お母さんがいても、軽い鉄拳(笑)をかましてもお構いなく、「お姉さん(いとあま。のこと)の言う事を聞きなさい!!」と、お母さんがS平君に言ったそのとき!!
「…お姉さんじゃないやい、おばさんだもん……」
決定打(-_-X;)。
ついに、いとあま。さんは行動に出る。左手で顔が向かないようにおでこを押さえながら、とつとつと話し始める。S平君の反論。
「じゃ、おばさんはちゃんと歯磨きしてるの?」
「そうだよ」
自信を持って言ってあげましたよ(^_^;)。

その後、虫歯予防のフッ素を塗るのも嫌がるし……彼だけで体力消耗しましたよ。

余談。同僚のUちゃんが、
「それでも学校に行き始めたせいか、前よりは落ち着いた感じしない?」
……確かに、逃走はしなかったな。
でも、身長130cmの小学一年なんて……(-_-、)。