母親の気持ち

2歳の男の子。初診の予約を電話で受けた時の事です。
「そちらでは、ネット*1とかありますか?」
とお母さんが聞いて来ました。
「無いです」
と答える私。確かに、緊急に治療しなければならない時に、体を固定しなきゃならないんだよね…でも、まだ私が専門学校生だった頃、実習先でネットでぐるぐる巻きにされてる子供を見てて凄いかわいそうになったっけ…。
「すぐに治療して欲しいんですね」
そのお母さんの言う事には、虫歯があって、たまに痛がるから治療してほしいと。
でも、暴れるかもしれないから、はじめっから固定して欲しいらしい。
うーん…。私が悩む事じゃないけど、院長、固定するの嫌がる人なんだよね。よっぽど痛くなければ、治療の練習して、出来るようになるのを待つ人(それでも緊急にやらなきゃいけない人はそうも言ってられませんが)。
とにかく、来て見ないと判らないので、予約を取る事にしました。
で、予約の時間通りにやってきたその子。見た目はちょっとした腕白坊主。これは手ごわそうかな…と思ったんでですが、意外や意外、初めから一人で治療台に座れるし、院長が「あーん」とかやっても結構動じない。これって、結構大物じゃない?
でも、虫歯はかなり大きかったらしく、早速お母さんに説教を始める院長…あーあ、いきなり頭ごなしに言わなくても…。私は隣で別の患者さんの検査をしていたから、実際にどんな虫歯かどうかは見えなかったのですが、結構凄いらしい。とりあえず、本格的な治療は次回からで、今回は鎮静の薬を虫歯に入れることにしました。
ところが、お母さんの心配は何処へやら、お母さんを待合室に下げても出来るし、タービンやコントラを当てても動じない。多少痛がったりはしたみたいだけど、意外とすんなり薬をつける所まで完了。その薬がまずかったらしく、最後はぐずったけど、結構早く終わったかな。
なぁんだ…拍子抜けする私。電話口では結構切羽詰ってるような事言ってたのになぁ…。


でも次が勝負になるでしょう。歯磨き指導の時、口の中のぞいてみよう。

*1:インターネットではなく、治療する時に暴れないように体を固定してしまう網