散策

臨時休診で休みになってしまったんです。だから別に出かけたって何の気負いも無い、普通の外出のはずなのに、家族には何にも言ってなかったものだから、何となくドキドキ感。
学生時代、制服姿で平日学校をサボってしまうような、似た感覚。
とりあえず目的地も決めないまま、都営交通の一日乗車券を買ってスタート。
でも、やっぱり足が向いてしまうのが神保町。「またか…」とかここを読んでる人は思うかもしれないけど、決して他の町では感じられない、本の匂いが感じられる町。歴史を重ねたくすんだ黄色に変わった古書には0の数が一瞬で判らないほどの数がつけられてる。かたや「あの人」の昔の世界にタイムスリップしてみたり。
そんな中、偶然見つけたのがある少女マンガ誌。他の人が見るとなんの変哲も無いけど、私が好きだった(今も好きだけど)漫画家さんのデビュー作…ってよりは投稿作が載ってる号。勿論絵柄も今とは変わってるけど、'85年なんて20年前だもんねぇ。私もまだ幼かったし。
その投稿作には編集者の審査の言葉が添えられてるんだけど、これがまた酷評だったり。それでも投稿作の中ではトップだろー!?とかツッコミいれつつも、期待してるからこき下ろすのかなー…と思ってみたり。実際、それから2年後にはその雑誌の中心連載をしてたり、今もこれとは別の雑誌だけど健在ですし。暫く大事にしようと思います。
あとは書泉ブックマートの近くにある画材屋さんがお気に入り。一応漫画を書いたこともあるので、バラエティ豊かな画材の数々。外国製のちょっとお洒落な文房具に綺麗なシール。こういうところって買わなくてもいるだけで楽しいんだよねぇ。
お昼も、一人だと躊躇してしまうような古き良き喫茶店に、初めて思い切って入ってみた。学生時代、オトナになったら入ってみたいなぁ…って思ったお店。ホントはオトナなんだけど(笑)、コーヒーを飲んで少し「出来るオトナ」を気取って見るのもたまには気持ち良くて。


…帰るとき、「バレてないかな?」…と、やっぱり学生みたいにドキドキして帰りました。そんなわけないって思いつつ、何だか違う国に行って来た様な一日でした。