突貫工事

その日歯磨き指導をした患者さんが、のっけから
「自分の歯は汚いから見たくない」
と言ってきました。まぁ、失礼を承知で言えばよく判るんです。歯石だか歯だかよく判別できないくらいべったり付いていて、見たくない、と言う気持ちも結構判るんです。でも、だからと言ってほっといていいわけじゃない、検査の結果は歯周病が進行してるのだから。
とにかく、鏡を見ないと始まらない、とそこから説明。歯に関して無関心と思いきや、歯磨き粉とか歯ブラシとかは結構自分のこだわりとかあるらしいんです。歯茎が腫れてて痛いから、自分で柔らかめの毛の歯ブラシを探したり、歯茎にいい歯磨き粉を買って大量につけてるとか。…でも、それも汚れが落とせなければ話にならないので、歯間ブラシの話も織り交ぜつつ、とにかく今までの意識を変えていかないと何にも変わらない…結構長く話してたような気がする。
そのあと、超音波の機械を使って歯石を取ったのですが、何しろ量がハンパ無いので、何だか道路のコンクリートをほじくってるような感じ(やった事は無いけど)。時間もそれなりにかかって、手がつる寸前まで行きました。それを知ってか知らずかその患者さん、
「何か彫刻されてるような感じがしたなぁ」
ってのんびり?言ってるから、心の中で
「こっちは突貫工事やってる気分でした…」って呟いちゃいました。先は長いと思いますので、めんどくさくても通って欲しいもんです。