変わった意識

最近初診で来始めた患者Sさん(♂)。義歯の新調が主訴で来院。
残ってる歯は下顎にある6本のみ。しかも、歯周病の検査では殆どが中程度の歯周病と診断されました。
そのときは「いつ歯磨いてるんですか?」と言いたくなるほど、全体的に歯垢まみれ。
「もう諦めた…」と、他の歯医者で受けた歯磨き指導も実行してなかった様子。
とりあえず、主訴である義歯の新調の約束と、歯磨き指導の予約を取ってその日は終了しました。


その歯磨き指導の予約が今日でした。正直、似たような患者さんを何人も見てる私としては憂鬱。大体が、話を聞く姿勢が出来てない人が多いから(これは私の話し方にも問題があるのかも知れませんが)。


ところがです。


染め出し液を塗ろうと口を開いて貰ったら…。
ハッキリ判るほど、口の中が変わっていたのです。検査のときの出血が止まらない位の歯茎の腫れが減って、色も健康的に近いピンク色に。ついてた歯垢も、完璧とは言えないまでも、嘘のように付いてなかった。
「残った歯も頑張ってるんだから大事にしてくださいね」
こう院長に言われ、意識が少し変わったとか。
指導の話もしっかり聞いてくれて、最後にはほぼ完璧に近いくらい綺麗になっていました。これなら、義歯が入っても大丈夫かな……。

患者さんの意識一つで、一週間でここまで変わることが出来るなんて…ちょっとした感動(大げさかな)を覚えた日でした。