ドツボ

歯医者にとって、レントゲン写真は診断に使うのにとても大事なもの。治療が一段楽すると、確認の為に撮影したりする事が多いです。
特に、治療した歯限定で撮影する小さな写真。これは口の中にフィルムを入れて、外からレントゲン線を照射して撮影するものなんですが、口の中って小さい上に、歯並びにアーチがかかってるが故に、中々設定が難しい。照射する機械と、フィルムの位置が合わなければ、画像が歪んだり、ヘンな所を撮影してしまうのは意外と日常茶飯事……。
最近、私がスランプに入ってます。突然、今まで出来てたものがさっぱり狙いと違うところで、肝心な画像が中々得られず。
とうとう院長が見るに耐えかねたらしく、自らレントゲン室に患者さんを誘導して、撮影を始めました。正直、申し訳無いなーって気持ちで見てたんですが……。
院長は私にフィルムを現像するように言って、治療再開。
ところが、現像されたモノを見ると………
無言で院長に渡す私、不思議な顔をして確認する院長。
「…………」
そうです、そこには肝心の歯は映ってなかったのでした。


院長でもこんな事あるんだ、と少し安心した私でした。でも、こんな事じゃいけないんだけどね。